北欧伝説とは。北欧伝説が基となったワーグナーの歌劇やアーサー王伝説などのファンタジーについて。北欧伝説とキリスト教の終末論の類似など。
北欧伝説は、ヨーロッパでは、ワーグナーのニーベルンゲンの指輪を始め、色々な文学・芸術の題材となっています。日本ではゲーム、マンガなどに北欧伝説のキャラクター名が使われています。北欧神話は、キリスト教布教以前のゲルマン民族に共通の神話でしたが、北欧に長く語り継がれたので北欧伝説と呼ばれています。北欧の信仰は自然崇拝的な側面を残した多神教で、古エッダと新エッダ、及び数百のサガに分かれています。
古エッダは詩のエッダとも呼ばれ、ゲルマン神話および英雄伝説の集大成の歌謡集で、古代ゲルマンの宗教と神々について描かれています。新エッダは散文のエッダと呼ばれ、前半は世界の創造から破滅への神話の概観、後半は作詩法を説いた詩学書です。神話以外の英雄伝説には、シグルトの歌があり、ニーベルンゲンの歌の基となっています。
ギリシャ神話と同様雄大な神話で、天地創造、人間の創造が描かれています。ギリシャ神話より戦闘的精神が強く、勧善懲悪でなく悪の力が強大でラグナレクと呼ばれる神々と巨人との最終戦争があり、神々までが死ぬ終末神話は珍しく、世界を業火で焼き尽くすと言う表現はゾロアスター教やキリスト教にも存在しています。
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北欧神話での世界創世は、炎と氷の国と呼ばれるアイスランドが舞台になっています。
巨大な雌牛アウドムラがなめた岩から生まれた最初の人間ブリの息子ボルと巨人族の女との間に出来た三大神、オーディン、ヴィリ、ヴェーが、氷と炎がぶつかってできた滴から生まれた巨人族の祖ユミルを撲殺しその体から世界創生を成し、流木から人間創造をします。大地の真ん中の国ミドガルドの中央アースガルドに3兄弟とアース神族達は住み、ユミルの子孫の巨人族はヨツンヘイム国住んでいます。神々と巨人族との戦争によってラグナロクと言う最終戦争が起こり世界は終末を迎える運命にあります。
知恵にすぐれたアース神族の最高神オーディンと、もと巨人族で一度はアース神の仲間になりながらオーディンの息子のバルドルを殺し裏切ったロキを軸にキリスト教のハルマゲドンと同じような構図で戦いが繰り広げられていきます。結局、両軍は決戦して共倒れになり世界は火の海につつまれ、海の底に沈んでいきます。しかし新しい陸地が浮上しバルドルが蘇り数名の神と男女1組の人間が荒廃の跡を復興し、新たな王国を建てていきます。バルドルがキリストの北欧形態であるとも指摘されています。
北欧伝説が基となった歌劇や、ファンタジーがあります。その中でも有名なのがニーベルンゲンの歌です。キリスト教化以前の古代ゲルマン人の英雄歌謡を基に1200年ごろ書かれた中世ドイツ最大の英雄叙事詩です。ワーグナーはこれからニーベルンゲンの指輪を作りました。北欧神話のシグルド(ジークフリート)やブルグント族の滅亡等を題材に作られ、三部作と呼ばれる四つの楽劇からなっています。
小人種族ニーベルンゲンの宝である指輪が、天上の神々の支配者ウォータンに奪われますが、ジークフリートによって奪い返されます。しかし、ジークフリートは修業の旅の途中に悪人によって殺され、洪水のために指輪はラインの川底に戻る話です。
アーサー王伝説などもその流れを組み、エルフやドワーフ、氷の巨人などが多く登場するJ・R・R・トールキンの指輪物語も非常に影響を受けた作品です。アーサー王伝説に出てくる魔法使いマーリンがガンダルフだとも言われています。又、ムーミンもムーミントロールという妖精で、北欧伝説の妖精がモデルとなっています。トロールは北欧の童話に登場する精霊でムーミンの生まれ故郷フィンランドでも伝説的な存在です。
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